おはようございます。株式会社タワーの佐藤泰裕です。
大家さんは、だいたい銀行等の金融機関からお金を借りて、アパートを建築したり、中古アパートを購入したりするものです。
もしも、ローンが支払えなくなるとどうなるのでしょうか。ひとつのシュミレーションをしてみます。
新築アパート(仮称)あさひアパートについて。
大家さんはあさひアパートの建築費として、銀行からお金を借りました。
銀行は、あさひアパートに必ず抵当権の登記をします。
その後、不動産会社と相談して家賃50,000円として入居募集が始めました。
あさひアパートに入居したXさんは、賃貸借契約に基づき、毎月決められた日までに50,000円を家賃として支払ってくれます。
しかし、大家さんは、何らかの事情によりお金に困り、毎月のローンを銀行に支払うことができなくなってしまいました・・・。
こうなると、銀行は、あさひアパートを競売にかけます。競売で、落札したAさんが、新しい大家さんとなります。
新・大家さんAさん
新しい大家さんAさんは、家賃を60000円で貸したいと考えています。
そこで、Aさんは、不動産会社と相談して、これまでの賃貸借契約終了させ、新しい賃貸借契約を締結したいと考えます。
入居していたXさん
新・大家Aさんに対して「賃借権」を主張することができる立場にはありません。
残念ですが、競売でAさんが落札した時点で賃貸借契約は終了になります。
以下の選択が必要です。
1、このままあさひアパートに住む→新・賃貸契約書を締結し、家賃60,000円を支払います。
2、60,000円は支払えないので、転居をすることを考える→6ヶ月は立ち退きをする必要はなく、その6ヶ月の間に、転居先を見つけ、あさひアパートを明け渡す
3、不満があるので支払をしない→すぐに立ち退き請求を受け、6ヶ月の期間を主張することはできなくなります。
(※新大家Aさんは、相当期間を定めて催告し、期間内に履行がなければすぐに立ち退いてもらうことができる。)
上記の入居していたXさんの動きを考慮すると、新・大家さんであるAさんは、競売物件を落札したとして、すぐには自分の望む、使用や収益を得ることができまず、6ヶ月という期間の間に入居者との折衝、立ち退き、新契約の発行、新入居希望者の募集などをしなくてはいけないということがわかります。
ひとりでできるでしょうか。有力な不動産会社とのコンビネーションが求められると考えます。