おはようございます。株式会社タワーの佐藤泰裕です。
「30年一括借り上げ」という言葉を聞いたことがありますか。
「一括借り上げを行うサブリース会社から、契約賃料の引き下げを要求されています。どうしたら良いでしょうか」という相談もあります。
サブリース会社は、「当社が全室借り上げ、入居者も集めます。」と30年、(会社によっては)35年に渡る借り上げを約束しますが、その借り上げ賃料は、2年ごとに定期的な契約更新で見直すケースもあり、もしも空室が増えていれば、2年ごとに賃料引き下げを要求される場合もあります。
借り上げ賃料には、空室率により最低保証額が設定されており、「当初は、月50万円が振り込まれたが、今は40万円弱に減ってしまった。」と語るOさん。
交渉がまとまらない場合は、一括借り上げ契約を解除することになり、Oさんは築4年目にして、これから自分で不動産仲介業者等を通じて借り手を探すことになります。
これまで、家賃の受取しかしてこなかったOさん。
さて、不動産投資家1年生のはじまりです・・・。
「30年一括借り上げ」という保証は、リスクを軽視した考え方だと思います。
新築時は相場よりも数%高い賃料で成約することができることが多いですが、そうした「新築プレミアム」は、次回入居時には剥げ落ち、以降は年1%程度の賃料下落がはじまります。
新築時の賃料維持は甘言であって、「30年間ずっと変わらない。」といううたい文句はさらに心配です。
国交省は、9月から業者に対し契約時には、将来の家賃が変動する可能性があると説明するように求めはじめています。
レオパレス21:「契約書面ではリスク要因を強調している。」
大東建託:「賃料改定があり得ることを説明した上で本人の署名捺印を頂いている。」
そもそも無理なビジネスモデル
・賃料が、年々下がっても、借金の返済を含めた収益性を確保できそうか
・周辺物件の空室率が上昇しても、自分の物件の空室率は低く抑えられそうか
こうした工夫を続ける覚悟と自信がなければ大事な財産を失うことになりかねません。